10.関東の地へ

 関東へ移られた親鸞聖人は、常陸の国・稲田の草庵を拠点に、精力的に念仏布教に勤められました。
 人間性の解放を願う親鸞聖人の教えは、山の民、川の民といわれる社会では不遇な立場にある人達に受け入れられ、やがて民衆全体へと広がっていきます。

 念仏の教えが、いかに浸透していたかが『平太郎の田植え歌』から、うかがうことができます。

五劫(ごこう)思惟(しゆい)の苗代に 兆載(ちょうさい)永劫(ようごう)のしろをして
一念帰命の種をおろし 自力雑行の草をとり
念々相続の水を流し 往生の秋になりぬれば
このみとるこそうれしけれ 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏

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