25日のお逮夜にご門徒さんと参拝してきました。
数年前から準備を始め、去年から具体的な計画を立て、いよいよ来週という時にあの大地震。余儀なく法要の内容が変更となり、だいぶ気を揉みましたが、ようやくこの日を迎えることができました。
親鸞聖人の御遠忌ということで、寺としては長きに渡って準備をしてきましたし、ご門徒のみなさんもめったにないご縁として参拝を楽しみにしておられました。正直、引率責任者としては、状況を深慮しますとしかたないのは分かるのですが、急な計画変更に戸惑ったのも事実です。
急遽、参加者のみなさんに主旨説明の文書をお配りして、迎えた団参の当日。
御遠忌のお参りじゃないのならよろしいわ…と辞退する方もおられるのではないかと心配しましたが、内容変更による欠席者は誰一人でませんでした。みなさまのお気持ちに深く感謝いたします。
御影堂に入ってみると、けっこう空席が目立ちました。担当の誘導員さんに尋ねてみますと、はっきりとした数字は聞いていないが全体でみると3割以上は団参中止にしているのではないか…、とのことでした。
誘導員さんから、前日、当日の朝と繰り返し「暖かい格好をしてきて下さい」と連絡があったように、御影堂内は本当に寒かったです。出発前、寺の横のお宅の役員さんに、「まだ時間がありますから」とコートを取りに戻ってもらって正解でした。
少しでもましなようにと端の団体を空席に詰めて、御影堂の横の戸を閉めてくださいましたが、後ろの方の席の私たちのところには残念な感じに風が入り込んできて…(涙。
暖房がないと京都でもこれだけ寒いのですから、東北はどれだけ寒いことでしょう。これしきで!とは思うのですが、やっぱり辛いと思う我が身が情けないことで…。
『被災者支援のつどい』では各方面から寄せられたメッセージが読み上げられます。今回は北海道のアイヌ協会の副理事長と沖縄の佐喜眞美術館の館長さんからのものでした。
アイヌの方からは、民族を超えていのちある者としての連帯を。沖縄の館長さんからは失ったいのちの尊さと現代社会の問題性、並びに復興への願いがメッセージとして届けられました。
御遠忌は単なるイベントではありません。誰一人思うようにいかない人生の中で、それでも人生に向かい合い、いのちを尊び共に生きることを今一度、親鸞聖人に教えていただくご縁であります。
今回は大震災により自力の及ばない事実がはっきりと明らかになりました。このことを深く胸に刻み、教えとさせていただくこの度の『被災者支援のつどい』は、名称こそ違いますが、御遠忌と同じ願いに立つものだと思ったことです。