当ブログでもすでに報告いたしました「親鸞講座」ですが、改めて後半(第4回?第7回)の報告記事が『しゃらりん』第24号に掲載されましたので、紹介させていただきます。
第4回 今井雅晴氏 (7月9日 難波別院会場)
御遠忌お待ち受け事業「親鸞講座」が難波別院同朋会館講堂で開催されました。第4回目となる当講座の講師は、筑波大学名誉教授の今井雅晴氏。「親鸞・恵信尼と鎌倉時代の夫婦」という題で講演され、鎌倉時代の習俗、歴史的背景をわかりやすくお話しいただきました。集まった170人の聴講者の中には、時折ノートにメモを取る人もおり、みなさんお話を聞いておられました。
第5回 長谷正當氏 (9月7日 難波別院会場)
9月7日、同朋会館講堂において、第5回親鸞講座が開催されました。
長谷正當氏(前大谷大学教授)が、「『自己とは何ぞや』という問いをめぐって」と題して、清沢満之の自己への問いと親鸞の機の深信について講演されました。
「自己とは何ぞや」という問いは、古来、哲学や宗教の中心を占めてきました。清沢満之が、自己を、万物との関わりから成り立つ宿業的存在であると捉えたことは、まさに、そんな自己をありのままに受け止め、信じて生きることを「機の深信」とした、親鸞の言葉と共鳴していることを、改めて学ばせていただきました。
「自己とは」という、永遠に問い続けられるであろう深いテーマに、200名の参加者は、熱心に耳を傾けておられました。(編集委員・藤林)
第6回 川村妙慶氏 (9月18日 兵庫・三田会場)
さる9月18日、兵庫県の三田市総合文化ホール「郷の音」ホールにて第6回親鸞講座が開催されました。講師に川村妙慶氏(真宗大谷派僧侶・アナウンサー)を迎え、「人はなぜ悩むのか」と題された講演には、350人を超える聴衆が集まりました。
講演では「悩む」ことについてご自身の体験をおりまぜながら話され、聴講者からは「話がわかりやすくてよかったです」「いい話を聞かせてもらいました。来て良かったです」といった声が聞かれました。
講演後、会場出口にて急遽サイン会が開かれ、氏の著作を手にした人で長い列ができました。
第7回 香山リカ氏 (11月14日 難波別院会場)
「現代の若者は「自己実現」への欲求の高さから理想と違う自分を強く卑下し、その一方で平凡を嫌います。特別の自分を、私にしかできないものを求めているのですね。でも、私が知っている有名な特別と呼ばれる人の多くも悩んでいます。特別であることも又、悩みの種となるのです。そもそも大人が若者に特別になることを望んでいませんか? 大学の単位はテスト60点で取れますよ。完璧な必要はないのです。まず少しでも出来た自分を認めてみませんか」
とのお話をされました。
そして付け加えられたのは
「老いていろんなことができなくなるのは当たり前。アンチエイジングは生き物として傲慢です」
の一言。そこには老病死を生きる私自身を、おおらかに引き受ける眼が感じられました。(第21組以速寺 山雄竜麿)
しゃらりん第24号(2010年12月発行)より転載