「苦悩の有情をすてずして」
4月26日(金)10:00 日中
「悩み苦しむ、その心の内深くに、本願の意欲が動き始めている」、私の師のお言葉であります。私たちはひたすら「幸福」を追い求めて精一杯がんばって生きてきたけれども、かえって人間が不幸になっているのではないか。たいへん便利で快適な生活になれてきたけれども、何か心のうちに空しさを感じる。こんなに自由なのになにか淋しい。こんな生き方を心から望んできたのだろうか。人間らしい人間の生き方とはどういうものなのか、という問いが心のうち深くに感じ始めているのではないでしょうか。「苦悩の意味」「生きる意味」を親鸞聖人に尋ねてみたいと思います。
(「南御堂』 第607号 2013年(平成25)1月1日 発行)