真宗大谷派(東本願寺)大阪教区の御遠忌情報

大阪教務所長・難波別院輪番 2013年 年頭ご挨拶

2013年01月01日 火曜日  投稿者  カテゴリー『南御堂』, 教区御遠忌

大阪教区・難波別院宗祖親鸞聖人七百五十回御遠忌法要に向けて 年頭ご挨拶

“真宗大谷派なる精神” 現代社会に顕現せん

大阪教務所長・難波別院輪番 五辻 信行

有縁の御同朋御同行の皆様と共に、大阪教区・難波別院宗祖親鸞聖人750回御遠忌法要を厳修させていただく年を迎えることができ、一層身の引き締まる思いで、元朝のお朝事・修正会を難波別院本堂でお勤めさせていただきました。本堂御内陣は、この御遠忌準備の一環で、昨年全面的な御修復工事を完了させていただくことができました。これ偏に、崇敬区域内外から同信同行の縁を結ばれた皆様のご懇念の賜と、有難く心からお礼申し上げさせていただきます。
さて、今年は加えて、東本願寺創設、真宗大谷派の派祖とも言うべき第12代教如上人の400回忌の年であります。この年に教如上人ご創設の大谷本願寺の歴史を受け継ぐ当難波別院において、宗祖の御遠忌法要をお勤めすることは、誠に意義深いものがあると受け止めています。
すなわち、教如上人は、中世から近世へと日本の統治体制が激変していく中で、絶大な勢力となった本願寺教団の行く末を案ぜられ、本願寺の危機の中で宗祖親鸞聖人の立教開宗のご精神をご再興くださった蓮如上人の願いをよく受け止められ、生涯をかけてこれを具体化くださった上人であると受けとめております。
すなわち、徳川幕府から境内地の寄進を受ける他は財的支援や領地の拝領を辞退し、その代わり諸国を自在に教化伝道できる地位を確保して、見事に東派本願寺の創設を成し遂げられました。この大事業を通して得たものは、御影堂の大伽藍ではなく、これを真宗本廟と敬迎護持する門徒衆の一大ネットワークでありました。このことを現代に生かす道は、この教如上人の志願を礎とする「真宗大谷派なる精神」を現代社会に顕現する他ありません。
私たちは今こそ、この御遠忌法要を起点として真宗同朋会運動51年の新たな歩み出しの態勢を十全に整えて、あらためて私たち一人ひとりがこの御一流の中にある御縁を大切にし、時機純熟の時を得たいと強く願うものです。

(「南御堂』 第607号 2013年(平成25)1月1日 発行)

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